僕の大冒険

僕の名前は、朝野 貴博。小学校の4年生。
その日は、朝からとっても良い天気だったから、
僕はお隣さんのみずほちゃんと、公園に遊びに行った。
みずほちゃんは、とってもかわいい帽子の、
赤いリボンをゆらゆらさせて、僕のほうに走ってきた。
「貴博く〜ん。おまたせ〜」
「ううん。僕も今来たんだ!何して遊ぶ?」
この青葉公園は、滑り台とか砂場とかはないんだけど、
大きな木とか、ボートのある湖とか
他にもトイレ、掃除小屋、休憩小屋・・・、
いっぱいの建物があるから、
いつも、いろんな遊びを考えて楽しんでいる
ほんとは、いつもパパやママには、
「危ないから掃除小屋や道具小屋には入っちゃ駄目よ」
って、言われてるんだけど、
狭い小屋の中に、いろんな段差や、棚や、道具があるから、
一番のお気に入りの遊び場なんだ。
結局今日は、公園の隅っこの、
大きな木の上の、がっしりした枝の上に、
秘密基地を作ることにした。
僕が、ダンボールや、木の枝を探す間に、
みずほちゃんが、掃除小屋に何か使えそうな物がないか、
見に行ってくれた。
ところが・・・
しばらくして、みずほちゃんが、
泣きそうな顔をして、走って戻ってきた。
「みずほちゃん、どうしたの?」
「あのね、お道具を探してる時に、
帽子を入り口の机の上に置いてたんだけど、
気が付いたらなくなってたの」
みずほちゃんは、今にも泣いてしまいそうに、そう言った。
僕は、慰めようと思って、
なるべくやさしく言った。
「ねぇ、もう一回二人で行って、良く探してみようよ」
でも、みずほちゃんは、強く首を振った。
「行ってもないもん!だって・・・
こんな手紙置いてあったんだもん!」
そう言って、みずほちゃんが、
手に握っていた紙を見せてくれた。
その紙には、こう書いてあった。


帽子は 預かった
左側の言葉の 仲間のところに 来い
青葉公園    学校
沖縄    北海道
鹿児島     山口
物干し    釣り竿
メガネザル   メガネ屋さん


「ねぇ、どう言う意味?」
みずほちゃんが、不安そうに聞く。
何とかして、みずほちゃんの帽子を 取り戻してあげたい。
きっと、公園の中のどこかだと思うんだけど・・・
僕は、一生懸命考えた。
僕は公園の中を、見まわした。
湖・・・掃除小屋・・・トイレ・・・
「よぉし!!」僕は・・・

湖へ向かった
掃除小屋へ向かった
トイレへ向かった