「みずほちゃん。とにかく探そう!!」
僕はみずほちゃんの手を取って、走り出した。
「ねぇ、どこだか分かったの?」
「カンだよ!!」
走って走って、息も切れ切れに、目的の場所に着いた。
そして、二人で必死に
隅々まで 帽子を探した
でも、手がかりは、何にもない・・・
僕たちは、もう一度、手分けして、
今度は小屋の中、トイレ、木の周り、湖の近く
いろんな所を、思い思いに探し回った。
でも、どうしても見つけられない。
そして、ふと気が付くと、
みずほちゃんとも すっかりはぐれてしまっていた。
今度は僕は、みずほちゃんを探した。
「みずほちゃ〜ん!どこ〜!」
返事もしてくれない。
「みずほちゃ〜ん!!」
どこに行ったんだろう。
公園の外まで探しに行ったのかなぁ・・・
そう言えば、まだ休憩小屋を探してなかった。
僕は、またまた走って、休憩小屋まで行って、
そして 扉を開けると・・・
ビックリして、僕は思わず立ち止まった。
休憩小屋の中は、いつもとすっかり様子が違っていた。
向こうの壁に向かって3個のイスが縦に並べてあって、
横の壁際のテーブルの上に、帽子が5個置いてある。

よく似ているけど、
探してた帽子とは、違うみたいだ。
僕がキョロキョロしていると、
いきなり後ろから声がした。
心臓が飛び出そうなほど ビックリして 振り向くと
一人のおじさんと、二人のおばさんが、立っていた。
マスクをしたり、マフラーを巻いたり
帽子を深くかぶったりしてて、
どんな人だか、まったく分からない。
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