食事の席は、思いのほか楽しかった。
ぷりこは、篠田の想像とは反対の気さくな老人で、余生を心配するにはまだまだ早すぎるという印象だ。
プリオの友人だと言う篠田の事も、歓迎してくれた。
篠田が、プリオから宝捜しの話しを聞いたと言うと、それについても嬉しそうに話してくれた。
大雑把に言うと6日間ここにいれば良いのだが、厳密には3つのステージに別れていて、ちゃんと時間が決まっている。
ルールはこうだ
第1ステージ
1日目 午前0時にスタートし、2日目の午前1時終了
第2ステージ
3日目 午前0時にスタートし、4日目の午前1時終了
第3ステージ
5日目 午前0時にスタートし、6日目の午前1時終了
ぷりこは嬉しそうに言った。
『プリオから篠田さんが来ると聞いて、昨日のうちに準備は出来ているんですよ。どうです?チャレンジしてみますか?』
篠田はいつのまにかこの奇妙な時計屋敷の隠し部屋と、ぷりこという老人と、そして、その老人の用意した手がかりにすっかり興味を持っていた。
篠田は結局、この依頼を引き受けることにした。
予定のスタート時間1日目の午前0時までは、まだ時間がある。
篠田はしばらく夕食を楽しんだ後、リビングに席を移し、紅茶を頂きながら、色々とヒントを聞き出そうとぷりこに探りを入れてみた。しかし、そんな考えはぷりこもお見通しで、何も収穫はなかった。
しいて言うなら、ぷりこが何度も『とにかく0時丁度がスタートなんだ』と言っていたことが、なんとなく気に掛かった程度だ。
そうこうしているうちに、いつのまにかスタート時間の15分前だ。
篠田がいくら『屋敷の中の何処にいれば良いのか』を聞いても、ぷりこは相変わらずの含み笑いで、『何処にいても一緒だ』と言うだけなので、篠田はこのままリビングでスタートを待つことにした。
☆第1ステージヘ☆
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