隠し部屋について



 
 メイドの答えはこうだ。
 「この屋敷には隠し部屋が沢山あります。 昔貴族が住んでいた屋敷に、更にぷりこ奥様が手を加えられたそうです。 その数は私にも分かりませんが、眼に見える所から、ちょっと探したくらいでは分からない所まで、本当に沢山あるようです。 先日は、私のベッドルームを掃除していてうっかり壁の鏡を落としてしまいましたが、その裏には何と、小さな扉がありました。 10年もこちらにお使えしていて、まったく気付かなかったんです。 きっと他の隠し部屋も、意外なところにあるに違いありません。 隠し部屋を見つけても、奥様が鍵を保管なさっていますので、部屋を空けることは出来ませんし・・・ では、篠田様。私はこれで失礼させていただきます。 篠田様も、今日はお休み下さい。 第2ステージは明日の午前0時スタートです」
 篠田はメイドが出ていった後も、しばらく考えていた。
 片っ端から屋敷を捜索して隠し部屋を探すことは簡単だ。
 しかし、鍵はぷりこが管理している。
 結局これは、ただ部屋を探すだけの仕事ではない。推理で見つけ出すしかないのだ。
 篠田は今日はとにかく早く寝て、起きてからゆっくり考えることにした。

 翌朝。
 篠田が起きたのはもう昼近かった。
 リビングではプリオがコーヒーを飲みながら、新聞を読んでいたが、篠田の姿を見つけると、満面の笑みで話しかけてきた。
 「おはよう。篠田さん!!どうです?何か分かりましたか?」
 篠田は今のところ何も分かっていないと言う事を告げると、食事の用意してある食堂へと足を向けた。
 
 こうして、リビングや自分の部屋をウロウロしながら考えるうちに、今日も夜を迎えた。
 日付が変わり、明日、3日目の午前0時を迎えれば、また、第2ステージのスタートだ。
 それまでの数時間を、篠田は仮眠を取ることにした。

 そして、時間は過ぎ、第2ステージスタートまであと5分。
 篠田は今日もリビングでその時を待つことにした。

           ☆第2ステージへ☆