福岡で探偵をやっている篠田の元に、1通の奇妙な招待状が届いたの1週間前の事だった。
送り主は九州では有名な女性大富豪。ぷりこの一人息子、プリオ。
『我が母の時計屋敷にて、ささやかなお食事会を開きます
ごく内輪での食事会ですので、平服にて起こし下さい
日時 : 7月31日 午後6時より
場所 : ぷりこ邸
篠田様のお越しを、心よりお待ちしております
プリオ』
文面は何の変哲もない、普通の食事会のお誘いだが、篠田はどう考えてもプリオとの面識がないのだ。
もしかすると忘れているだけで、何かの事件の調査ででも会っているんじゃないかと思い出そうとするが、どうしても思い出せないし、仮に会った事があったとしても、少なくとも食事会に誘われるほど親しくはないはずなのだ。
奇妙なのはそれだけではない。
招待状には100万円の小切手が同封されていたのだ。
きっとこれは、何かの依頼に違いないと考えた篠田は、今、その『時計屋敷』へと車を走らせている。
篠田が到着すると、プリオらしい男が出迎えに現れ、あなたをそのままリビングへと通した。
どうやら客は篠田だけらしい。
篠田はプリオに、早速100万円の件を質問した。
篠田の考えていた通り、これはやはり仕事の依頼らしい。
依頼の内容はこうだ。
☆母親であるぷりこが、莫大な資産をこの屋敷の中に隠しているが、年を取り、体力の衰えたぷりこは、ある遺言状を用意した。
☆自分の生きている間に、プリオがその隠し場所を見つける事が出来たら、全てプリオに遺産として相続させるが、もし見つけられなかった場合は、全てを寄付すると言う事らしい。
☆隠し場所は、この屋敷の時計塔にあるいくつかの隠し部屋のうちの何処からしいが、鍵はぷりこが管理している。
☆隠し場所の手がかりは、この屋敷の時計塔に6日泊り込めば分かるらしい。
☆篠田には今日から6日間、プリオの友人と偽りこの屋敷に泊り込んで、隠し場所を見つけて欲しい。
隠し場所が分かったら、ぷりこからその部屋の鍵をもらえるらしいのだ。
とりあえず、篠田はプリオの友人として食事会に出席することにした。
☆次のページへ☆
|