翌朝。
心配そうにそわそわするプリオとは対照的に、篠田は何とも言えない優越感と満足感に包まれていた。
「篠田さん。どうです?宝のありかはわかりましたか?」
食堂で朝食のテーブルにつきながら、プリオが落ち着き無く話しかけてくる。
篠田は会釈だけで答えると、先に食卓に付いているぷりこにも軽く朝の挨拶をして自分も席についた。
気になって仕方が無いという様子でプリオが食卓に付くと、静かに朝食が始まった。
食事中もチラチラと篠田のほうを見るプリオがおかしくて、もうちょっと意地悪をしてやりたくもなったが、食後のコーヒーが運ばれてくる頃、ぷりこが口を開いた。
「篠田さん。プリオが気になって仕方がない様子ですよ。このままだときっとプリオは食後のデザートの味すらわからないかも知れませんね」
落ち着いたぷりこの言い方とはまったく正反対の、そわそわしたプリオの様子に、思わず吹き出しそうになりながら、篠田は『そうですね』と答えると、コーヒーを口へ運んだ。
「それで?私の宝の隠し場所は分かりましたか?」
ぷりこの問いに、篠田はカップを置くと、最後の確認のため、ひとつだけぷりこに質問を投げかけた。
その質問とは・・・
もし、宝の隠し場所が”風呂場”だったとしたら、このチャレンジは1ステージで終了。
鐘が鳴る時間と回数は
午前0時・ 6回 午後3時・ 4回
午前1時・ 5回 午後6時・ 3回
午前6時・ 1回 午後9時・ 2回
この計6回で間違いは無いか。
と、言うものだった。
ぷりこも頭の中だけでは考えられないらしく、篠田が言った事を書き取り、指折り数えながら確認すると、篠田に向かい、にっこりと笑った。
「どうやら篠田さんには、すっかり解かってしまったようですね。おっしゃる通りですよ」
プリオだけが何が何だか分からないようだったが、篠田はそのぷりこの言葉にすっかり満足した。
いつまでも意地悪しても可哀想だ。
篠田はプリオにも種明かしをしてあげる事にした。
☆解答編へ☆
☆冒険のしおりへ☆
|