結局 僕らは陽が傾くまで、探しまわった。
でも、帽子どころか、
何の手がかりも 見つけられなかった。
みずほちゃんの 大切な帽子。
赤いリボンの かわいい帽子・・・
一体 どこに消えてしまったんだろう。
もう、家に帰らないと、
二人とも ママに怒られてしまう時間だ。
みずほちゃんは、また泣き出しそうに下を向いてしまった。
「ねぇ、明日もう一度探してみようよ。
きっと 僕が見つけてあげるからさ」
「ほんとに?」
みずほちゃんが 心配そうに顔を上げた。
「うん!約束するよ!
今日も家に帰ったら、暗号のこと考えるから」
僕がそう言うと、みずほちゃんは
「ありがとう。私も考える!!」
と言って、やっと にっこりと笑ってくれた。
それで、僕らは とりあえず
今日は、家に帰ることにした。
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